点状軟骨異形成症(chondrodysplasia punctata)の一般的な知識
骨端軟骨とその周囲軟部組織の点状石灰化像を呈する疾患群の総称。
(X染色体優性Conradi-Hünermann型点状軟骨異形成症(CDPX2)、X連鎖性劣性末節骨短縮型点状軟骨異形成症(CDPX1)、 CHILD症候群(先天性片側異形成、魚鱗癬、四肢欠損)、Keutel症候群、Greenberg骨異形成症、近位肢型点状軟骨異形成症、 脛骨・中手骨型点状軟骨異形成症、Astley-Kendall骨異形成症などの総称)
出生時から乳児期にかけて骨端軟骨とその周囲組織に点状石灰化像を示す。
骨端核は出現が遅滞し、変形や形成不全を生じる

(図の引用元:井手整形外科クリニックよりhttps://ide-orthopedic-clinic.com/syoujoubetu/pediatric/)
鼻根部の平坦と短い鼻、眼瞼斜上、低身長はすべての型で共通する。
疾患ごとに多様な症状を認める。
(小児慢性特定疾病情報センターより引用:https://www.shouman.jp/disease/details/15_02_011/)
点状軟骨異形成症(chondrodysplasia punctata)のX線写真の特徴
X線:
- 骨端軟骨とその周囲軟部組織の点状石灰化
- 脊椎周囲の点状石灰化
症例画像
症例1,2 Greenberg骨異形成症の症例

a:妊娠20週での前後方向の胎児全体のX線写真。比較的大きな頭蓋骨と重度の胎児水腫、短い肋骨、狭い胸郭、肋軟骨の石灰化、扁平椎体、虫食い状の外観を呈する非常に短い長骨、手根骨および足根骨中心の進行した骨化を示す。
b:aとは異なる症例:妊娠15週での左上肢。骨の虫食い状の外観を伴う重度の四肢短縮、短指症、軸後性多指症(矢印)を示す。
いずれも骨端部に石灰化を認めている。
症例3 X染色体優性Conradi-Hünermann型点状軟骨異形成症(CDPX2)の症例

(a) 妊娠15週の胎児の全身X線写真:骨端、脊椎、骨盤、肋軟骨接合部における広範囲の点状石灰化、肋骨の隙間、大腿骨近位短縮(rhizomelia)、著しい非対称性、右側の低形成に注目。
新生児の四肢(b~d)および脊椎の前後方向像(e)のX線写真。
右側の半身低形成を伴う非対称性。右上肢の手根骨および長骨骨端における点状石灰化(b、矢印)、左上肢には点状石灰化なし(c)、右足根骨の点状石灰化(d、矢印)、不規則な左足根骨。e 右肋骨は短く、細く、異常な形状であり、脊椎に広範囲の点状石灰化がある。
(eを拡大)

症例4 X連鎖性優性点状軟骨異形成症

a. 出生時、全身の点状石灰化と多発性椎体分節異常。
b. 6歳時、側弯症と大腿骨頭骨端の形成不全。
点状軟骨異形成症の骨格異常は、成長とともに変化し、側弯症や関節の変形などの新たな問題が生じる可能性がある。
管理人) 点状石灰化は不明瞭化してみえる。
症例5 X連鎖性優性点状軟骨異形成症

a. 妊娠23週の男児胎児の全身X線写真。対称性の近位短縮型(rhizomelic)の短肢、狭いベル型の胸郭、長骨骨端、脊椎、骨盤、手根骨および足根骨、膝蓋骨における全身性の点状石灰化を示す。
b. 右手は手根骨の点状軟骨異形成症および短指症を示す。第3中手骨は特に短く幅広である。多指症も合指症もない。
引用文献・参考
【症例1-5】Chrisine M Hall et al.「Radiographic features of the skeleton in disorders of post-squalene cholesterol biosynthesis」Pediatric Radiology · February 2015